ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説 ヒガシアメリカオウギハクジラMesoplodon europaeus; Gervais' beaked whale クジラ目ハクジラ亜目アカボウクジラ科オウギハクジラ属。体長は雄約 4.5m,雌約 5.2mに達する。体重は約 1.2tになる。体色は全身灰黒色であるが,腹部はやや淡色で白斑を呈することがある。頭部は小さい。噴気孔は1個で頭部正中線上に位置し,噴気孔の前部はほとんど盛上がらず,嘴 (くちばし) から頭部までの傾斜はきわめてゆるやかである。咽喉部にハの字状の溝があるが比較的短い。体高は体幅より大きい。背鰭 (せびれ) は吻端から体の後方3分の2に位置する。下顎の先端近くに1対の小さい三角形状の歯がある。雄の歯はわずかに突出するが,雌の歯は歯根に埋没している。イカ類を捕食する。温帯から熱帯にかけての暖海に生息し,ニューヨークからテキサスにかけて北アメリカ東海岸とメキシコ湾に出現するほか,まれにカリブ海でもみられる。また南大西洋中央部における漂着例が数例ある。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by