ヒルムシロヒドラ(読み)ひるむしろひどら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒルムシロヒドラ」の意味・わかりやすい解説

ヒルムシロヒドラ
ひるむしろひどら / 蛭蓆水
[学] Moerisia horii

腔腸(こうちょう)動物門ヒドロ虫綱ヒドロイド目モエリシア科に属する水生動物。ポリプクラゲの両世代をもつ。ポリプは汽水域に生える植物ヒルムシロの葉上に付着しており、単生で群体をつくることはない。体は細長く高さ8ミリメートルほどに達し、上部のヒドロ花上には十数本の数珠(じゅず)状の触手がみられる。これら触手の間にクラゲ芽が生じ、それらはやがて遊離してクラゲとなる。成熟したクラゲはほぼ半球状で直径約6ミリメートルほどに達する。傘縁には32本あるいはそれ以上の触手がみられ、また簡単な四つの口唇をもった短い口柄がある。生殖腺(せん)は放射管上に発達する。北海道から九州までの汽水湖にみられるが、クラゲはその出現時期が短く、発見されることはまれである。

[山田真弓]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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