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汽水湖 きすいこbrackish water lake

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

汽水湖
きすいこ
brackish water lake

水質による湖沼の分類の一つで,淡水中に海水が侵入している湖沼をいう。海岸付近に存在する潟湖 (→ ) は,ほとんどこの種の湖で,外海に面して開口部をもち,そこから海水が侵入する。比重の関係で,多量の海水が侵入する場合を除いて,底層に海水が,表層に淡水が認められるのが普通。この結果,普通の淡水湖のように年1~2回の湖水の全循環がなく,表層の淡水のみの部分循環を示す。底層は一般に溶存酸素に乏しく,ときには無酸素層の存在も認められる。この場合には,硫化水素が発生するのが普通。生物はシジミワカサギ,ハゼ,フナ,ウナギなどであるが,塩分の濃度により種類は異なる。浜名湖三方五湖,十三湖などが汽水湖としてあげられる。

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百科事典マイペディアの解説

汽水湖【きすいこ】

塩水湖の一つで,海岸付近にあり,海水の影響により多少塩分を含む湖沼。淡水湖との区別は1l中に0.5g以上の塩分を含むこと。たとえばサロマ湖,浜名湖など。
→関連項目厚岸湖

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世界大百科事典 第2版の解説

きすいこ【汽水湖 brackish water lake】

湖水に海水が混入している湖。ラグーン(潟湖(かたこ))の大部分はこれに相当する。一般に表面積に比較して,水深が浅い。塩分濃度は海水の浸入の程度や,海水の干満によって異なる。底層部になるほど塩分濃度が高いことが多く,下層の比重が大きくなるので上下の水の循環が行われないため,底の方には酸素のない水が存在することがある。そのため還元状態を示し,福井県の三方五湖や北海道釧路市の春採(はるとり)湖などのように硫化水素が発生する。

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大辞林 第三版の解説

きすいこ【汽水湖】

汽水の湖沼。サロマ湖・浜名湖など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

汽水湖
きすいこ

海水が水質や湖水の運動に影響を及ぼすような湖。開水路を通じて海水との直接な交流のある場合がほとんどであるが、地下水の形で海水が間接的に浸入している場合もある。湖水の塩分は、海水と河川水との混合比に応じて広い範囲にわたる。深層には密度の大きな塩水が長い時間にわたって停滞し、無酸素層が形成されるために高濃度の硫化水素を含む。湖水の循環が表層のみに限られる部分循環湖となることが多く、福井県の水月湖(最大深度34メートル)はその典型的な例である。日本の湖を面積順にみると、上位に多くの汽水湖がランクされ、汽水湖は日本の大きな湖のなかで重要な地位を占めている。水生生物の多様性内水面漁業の面でも重要である。成因的には大部分が潟(かた)・潟湖(せきこ)であるため、日本では太平洋沿岸に少なく、日本海沿岸やオホーツク海沿岸に多く分布する。北海道のサロマ湖・春採(はるとり)湖、能取(のとろ)湖、風蓮(ふうれん)湖、島根・鳥取県の中海、静岡県の浜名湖などが代表例としてあげられる。[森 和紀]

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世界大百科事典内の汽水湖の言及

【塩水湖】より

…塩湖または鹹湖(かんこ)ともいう。これ以下のものを淡水湖,海水の浸入による塩分の多い湖を汽水湖と呼ぶ。塩湖の分布はアフリカ東部,アナトリア高原,オーストラリア,北アメリカ西部等に多く,南極地方にも存在する。…

【湖沼】より

…溶存成分の量が500mg/l以下の湖は淡水湖,それ以上を塩水湖とする。また海水の侵入する湖を汽水湖と呼ぶ。(a)水素イオン濃度(pH) 湖水のpHはナクル湖(ケニア)の12や潟沼(鳴子)の2前後のように極端なものを除いて,だいたい6~8の中性のものが大部分である。…

※「汽水湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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