ビーダル王国(読み)ビーダルおうこく(英語表記)Bīdar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビーダル王国」の意味・わかりやすい解説

ビーダル王国
ビーダルおうこく
Bīdar

インドのデカン最初のムスリム国家バフマニー朝王統が断絶したあと,その宰相アミール・バリードビーダルを首都として建国した王国 (1528~1619) 。バリード・シャーヒー Barīd Shāhī王国ともいう。バフマニー朝分裂後にできた5ムスリム王国の一つで,アフマドナガル王国ビジャープル王国ゴルコンダ王国の3強国にはさまれ,17世紀初めゴルコンダとビジャープルとによって分割,併合された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ビーダル王国」の意味・わかりやすい解説

ビーダル王国
びーだるおうこく
Bīdar

インド、デカン高原北部のグルバルガを首都としたムスリム王朝(1520ころ~1656)。デカン地方の最初のムスリム王朝であるバフマン朝は15世紀末、有力な地方総督が次々と独立して分裂していった。バフマン王国の中心部では、宰相のバリード一族が実権を掌握し、1520年代には正統の王統が断絶し、宰相が正式に王位についてビーダル王国(バリード・シャーヒー王国)を建てた。しかしこの王朝は弱体で、1656年、ムガル帝国のアウランゼーブ帝のデカン征服軍に敗れて滅亡した。

[小谷汪之]

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