ピ・イ・マルガイ(読み)ぴいまるがい(その他表記)Francesc Pi i Margall

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピ・イ・マルガイ」の意味・わかりやすい解説

ピ・イ・マルガイ
ぴいまるがい
Francesc Pi i Margall
(1824―1901)

スペインの思想家、政治家。フランシスコ・ピ・イ・マルガルFrancisco Pi y Margallとも表記する。織物労働者の子としてバルセロナに生まれる。教会を批判する歴史書、文芸批評を書いていたが、1854年の蜂起(ほうき)に参加、民衆による革命の推進を主張し、政治家としての第一歩を踏み出す。1864年には民主派の新聞を主宰、徹底した民主化、社会主義の樹立、反教権主義などの宣伝を行った。1866年6月の蜂起が失敗し、政府による民主派弾圧が強まるなか、フランスに亡命、ここでプルードン思想の研究、翻訳に努めた。1868年の九月革命で帰国、連邦共和派の指導者としてコルテス議員となり、1873年に共和国政府内相、ついでコルテスが連邦共和制宣言を行うと、大統領の座についた。農民への土地分配、労働者保護、国家と教会の分離などの政策を発表したが、カントナリスタ(地方分立主義者)およびカルリスタの蜂起という左右からの攻勢のなかで辞任した。王政復古後は政治活動を続けるかたわら、社会主義文献の紹介や翻訳、歴史研究や文学活動を行った。1901年11月29日、マドリード死去

[中塚次郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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