ピオシン(その他表記)pyocin

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピオシン」の意味・わかりやすい解説

ピオシン
pyocin

細菌が生産する他の近縁の細菌に対しての抗菌物質をバクテリオシンと総称するが,そのうち緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa (旧名 P. pyocyanea) が生産するものがピオシンである。感受性細菌の表面には,きわめて特異性の高い受容部位 (レセプター) があり,ピオシン1分子で1個の細菌を溶菌させるという。ピオシンは F.ジャコブによって発見された (1954) が,その後数種類に分類された。いずれも蛋白質,あるいは蛋白質と糖脂質の複合体である。一部のピオシンは,精製して電子顕微鏡で観察すると,バクテリオファージの尾状の構造をもっており,ファージの溶菌能力との関連が論じられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む