日本大百科全書(ニッポニカ) 「ピッチカート」の意味・わかりやすい解説 ピッチカートぴっちかーとpizzicato イタリア語 バイオリンやチェロなどの弦楽器で、ある音ないしは楽句を弓を使わずに指で弦をはじいて演奏する奏法のこと。通常、譜面上ではpizz.と省略され、ふたたび弓で奏するときはアルコarcoと記される。普通、弦は右手ではじかれるが、右手で弓を弾きながら同時に左手で弦をはじく名人芸的な奏法もあり、これはパガニーニにより開発された。なお音楽史上では、モンテベルディ作曲の劇的カンタータ『タンクレディとクロリンダの戦い』(1624初演)で用いられたのがピッチカートの最初とされている。[黒坂俊昭] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例