ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピノチェト・ウガルテ」の意味・わかりやすい解説
ピノチェト・ウガルテ
Pinochet Ugarte, Augusto
[没]2006.12.10. サンチアゴ
チリの軍人,政治家。士官学校,陸軍大学卒業。 1953年少佐。 1954年陸軍大学教官,1964年同大学副校長。 1956年ワシントン駐在武官,1969年准将に昇進,この間パナマ運河地帯にあるアメリカ合衆国の反乱鎮圧訓練学校で教育を受けた。サルバドール・アジェンデ・ゴセンス大統領の政権下で,1972年に陸軍参謀長,1972~73年陸軍司令官の地位についた。 1973年9月 11日の軍事クーデターでアジェンデ政権を打倒し,臨時政府を樹立,1974年大統領に就任。左翼勢力,労働組合を弾圧し,新自由主義,マネタリズムの経済政策で成果を上げた。 1988年 10月再選の可否を問う国民投票に敗れ,1990年3月に民政移管したが,陸軍総司令官に留任して影響力を保った。 1998年退役。終身上院議員に就任。同年軍事独裁政権下での非人道的な左翼弾圧の責任を問われ,ロンドンでイギリス司法当局に逮捕された。
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