日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィティッヒ」の意味・わかりやすい解説
フィティッヒ
ふぃてぃっひ
Rudolph Fittig
(1835―1910)
ドイツの化学者。ハンブルクの教職者の家に生まれ、1856年ゲッティンゲン大学に入学し、ウェーラーとリンプリヒトH. F. P. Limpricht(1827―1870)のもとで化学を学んだ。チュービンゲン大学教授(1870)、ストラスブール大学教授(1876)を歴任した。ラクトンの発見など、多くの有機合成化学の実験を積み重ねるなかで、「フィティッヒ反応」と彼の名を冠してよばれる、ベンゼンから芳香族炭化水素を合成するときに有効な反応を発見したことで知られている。生粋(きっすい)の実験家であり、理論の構築には興味を示さなかった。
[井山弘幸]
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