フィンスイミング(読み)ふぃんすいみんぐ(その他表記)finswimming

デジタル大辞泉 「フィンスイミング」の意味・読み・例文・類語

フィン‐スイミング(fin swimming)

1枚の足ひれとシュノーケルを使って潜水し、水中を進むマリンスポーツ

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フィンスイミング」の意味・わかりやすい解説

フィンスイミング
ふぃんすいみんぐ
finswimming

足ひれ(フィン)を装着して行う水泳競技の一つ。フィンは2種類で、両足を一つにまとめて一枚の大きな足ひれを着けるモノフィンmonofinと、片足に一枚ずつの足ひれを着けるビーフィンbifinsがある。泳ぎ方は、いずれかのフィンを足に着け、バタフライのようなドルフィンキックにより、水をけって推進力を得ながら、身体をくねらせて進むウェービングという泳法が基本で、手のかき方は自由である。おもな種目は4種類があり、使用するフィンによって以下のように分けられている。(1)サーフィスSurface 略称SF。モノフィンとシュノーケルを使い、水面に身体の一部か、シュノーケルの一部を出した状態で泳ぐ競技。短距離の50メートルから長距離の1500メートルまでの距離別に種目が分かれている。また、4×100メートルと4×200メートルのリレー競技がある。(2)アプニアApnoea 略称AP。アプニアとは無呼吸の意味。モノフィンを使い、潜水状態のままで50メートルを泳ぐ種目。世界のトップスイマーは50メートルを13秒台で泳ぐため、最速の水中競技といわれている。(3)イマージョンImmersion 略称IM。イマージョンとは浸入、浸水の意味。モノフィン、スキューバダイビング用の空気ボンベ、レギュレーターを使い、水中を泳ぐ種目。100メートル、400メートル、800メートルが正式種目。(4)ビーフィンBifins 略称BF。ビーフィンを使う唯一の種目で、ビーフィンとシュノーケルを使い、手は交互に水をかくクロールストロークを用いて泳ぐ。プールで行われる50メートル、100メートル、200メートル競技が中心である。また、日本のビーフィンではほとんど行われていないが、海で行うオープンウォーター競技もあり、6キロメートルや20キロメートルなどの長距離を競う。

 フィンスイミングは、1930年代にイタリアでゴム製のフィンがつくられたことに始まり、その後、1967年にアンジェラAngera(イタリア)で、初めてのヨーロッパ選手権が開かれた。以降、1970年代にソビエト連邦(当時)でモノフィンが考案されたことにより、今日のフィンスイミングの基盤がつくられた。1976年にはドイツのハノーバーで初めての世界選手権が開かれた。

 世界のフィンスイミングをはじめとする水中活動団体135(2015年時点)が加盟する、世界水中連盟(CMAS:Confédération Mondiale des Activités Subaquantiques)の主催により、世界選手権が毎年開催されている。国内では、日本水中スポーツ連盟(JUSF:Japan Underwater Sports Federation)が主催し、日本選手権が毎年開かれる。

[編集部]

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知恵蔵 「フィンスイミング」の解説

フィンスイミング

フィン(足ひれ)をつけて行う泳ぎで、2枚のフィンを左右の足に履くビーフィンと、両足をそろえて1枚の大きなフィンを履くモノフィンとがある。足のキックのみで推進し、モノフィンは50mを14秒台、100mを33秒台で泳ぎきり、水中では秒速3m以上のスピードになる。ワールドゲームズの公式競技。種目は、サーフィス(水面泳)、アプニア(息止泳)、イマージョン(水中泳)、ビーフィン、オープンウオーターなど。

(吉田章 筑波大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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