フォルミオン(その他表記)Phormiōn

改訂新版 世界大百科事典 「フォルミオン」の意味・わかりやすい解説

フォルミオン
Phormiōn
生没年:?-前428ころ

前5世紀後半,とくにペロポネソス戦争初期に活躍したアテナイ将軍。前430年代初頭より,サモスアカルナニア,カルキディケの各地戦功をあげたが,ペロポネソス戦争勃発後はとくにコリントス湾方面で,優勢なペロポネソス同盟軍の艦隊相手に,将軍として再三にわたり卓抜手腕を示した。前428年帰国ののち,まもなく世を去った。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 伊藤

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォルミオン」の意味・わかりやすい解説

フォルミオン
Phormiōn

[生]?
[没]前428頃
古代ギリシア,アテネの将軍。ペロポネソス戦争前半に活躍。前 440年サモス包囲を増援した将軍の一人。アカルナニア,ポチダイア,カルキディケですぐれた軍事手腕をみせた。前 429年 20隻でコリント港を封鎖し,47隻のペロポネソス同盟の船を破り,さらにスパルタのクネモスの率いる 77隻の軍船を破り,アカルナニアにおけるアテネの影響力を回復した。帰国 (前 428) 後,公金費消の罪に問われ,おそらくこのときに死亡

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android