フラバシ(その他表記)Fravashi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フラバシ」の意味・わかりやすい解説

フラバシ
Fravashi

ゾロアスター教経典にしばしば登場する霊的存在多くの場合,死者,ことにゾロアスター教を信仰した義人たちの霊魂をさすが,アフラ・マズダをはじめとする神々や,まだ生れぬ人間それぞれのフラバシをもつともいわれ,プラトン哲学のイデアを思わせるところもある。だが最も古くは,インドマルトなどと似た,大気現象を司る青年戦士神の集団であったと考えられる。

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世界大百科事典(旧版)内のフラバシの言及

【ハトラ】より

…彫刻はグレコ・ロマン風の写実主義的なものであるが,パルティア彫刻の特色たる厳格な正面観描写,硬直した姿態,細部(頭髪,ひげ,眼球,衣服などの文様)を詳細克明に再現する〈真実主義〉,線を重視する彫法を示す。とくに個性豊かな王侯肖像はパルティア系国王のフラバシfravaši(永遠不滅の人格=霊魂)を擬人化したもので,都市の守護神,人民の救済者像として礼拝された。ハトラは1~2世紀にはローマに敵対したが,アルサケス朝滅亡(224)後はローマと同盟して新興のササン朝と抗争したので,ローマ文化の影響も認められる(ローマ産大理石の軍人彫刻)。…

※「フラバシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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