フランドルへの道(読み)フランドルヘノミチ

デジタル大辞泉 「フランドルへの道」の意味・読み・例文・類語

フランドルへのみち【フランドルへの道】

原題、〈フランスLa Route des Flandresシモン小説。1960年刊。戦争と性にまつわるさまざまな記憶を、濃密な文体混沌こんとんの中に描く。ヌーボーロマン作家としての著者代表作

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のフランドルへの道の言及

【シモン】より

…はじめ画家志望で絵画の勉強をしたが,この計画は実現せず,1939年ころからフォークナーの影響を受けた作風によって,《ぺてん師》と題する小説を書きはじめ,第2次世界大戦に動員される期間を挟んでこれを完成,45年に最初の小説として刊行した。これはとくに筋立てが抽出できるという点で,まだ伝統的な小説の枠組みを保存しているが,《風》(1957),《草》(1958)を経て,伝統的な約束ごとに拘束されない小説形式の探究を進め,《フランドルへの道La route des Frandres》(1960)でひとつの頂点に達した。そこでは幼年時,スペイン内乱への参加,第2次大戦への従軍等々,過去のさまざまな記憶と現在とを交錯させながら,エロスへの執着,死の観念に動かされる人間の内面の様態が提示される。…

※「フランドルへの道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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