アメリカ戦時労働局が第二次世界大戦中に使った「フリンジ・イシューズ」fringe issuesに始まり、休暇手当、福祉施設、公的社会保障を補足するものを意味し、使用者が賃金に付加して労働者に与える賃金以外の給付をいう。付加給付ともいう。戦後、西ヨーロッパ諸国においても広く採用され、わが国でも賃金を補完するものとして取り入れられてきた。労使交渉の対象に組み込まれることも多い。わが国でもっとも一般的なものは、社会保険に関連する給付である。社会保険料の使用者負担分の割増しや、健康保険における家族療養付加金などがこれにあたる。フリンジ・ベネフィットは企業の財政状況を反映するため、企業間格差を増大するとともに、社会保険制度間の格差発生のおもな原因となっている。
[小泉幸之助]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…そして大企業と中小企業間には,質,量いずれにおいても大なき格差がある。 日本では資本主義化の過程に規定され,欧米諸国に比べ総労働費用のうち福利費の占める割合が低く,総福利費のうち法定外福利費の比率が高いほか,企業内福祉も欧米諸国のフリンジ・ベネフィットとはその性格を異にする。戦前の日本では,賃金と生活扶助的な各種企業福祉給付が渾然一体化して,恩恵的な利潤分配制度と考えられた。…
…また賃金を,労働の代償として使用者が労働者に支払うすべてのものをさすと解釈すれば,諸手当,ボーナス,退職金なども賃金に含まれることになる。さらに,社会保障や福利厚生などに関する雇主負担も,賃金に準ずるものとして付加給付(フリンジ・ベネフィット)と呼び,広義の賃金の中に含めることもある。 賃金は通常,(1)賃金理論,(2)賃金構造,(3)賃金支払制度,形態,(4)賃金と労働時間に関する法的規制,(5)フリンジ・ベネフィット,などに分けて論じるのが便利である。…
…第2次大戦後は社会保障や企業内福祉の発達によって,西ヨーロッパでもソーシャル・チャージsocial charge(社会政策的費用の企業負担)が問題になりだした。アメリカやイギリスでもフリンジ・ベネフィットfringe benefit(付帯給与。なお一般に用いられる〈付加給付〉という訳語は社会保障の付加給付と混合されやすい)が普及したため,賃金比較にはこの種の間接的費用を考慮することが不可欠になった。…
※「フリンジベネフィット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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