日本大百科全書(ニッポニカ) 「フリーチェ」の意味・わかりやすい解説
フリーチェ
ふりーちぇ
Владимир Максимович Фриче/Vladimir Maksimovich Friche
(1870―1929)
ロシア・ソ連の文芸学者、芸術学者。1894年モスクワ大学卒業。プレハーノフの芸術理論の影響を受け、史的唯物論的見地から、文学・芸術様式の発達過程が社会の経済的・階級的形態の変遷過程といかに照応しているかを究明し、マルクス主義芸術学を体系づけた。革命後モスクワ大学文学部長、ソ連最初の『文学百科辞典』編集長などの要職につく。主著には『ヨーロッパ文学発達史概論』(1908)、同書改訂第3版(1927)、『西欧モダニズムの根本モティーフ』(1909)、『フロイト学説と芸術』(1925)、『芸術社会学』(1926)、『芸術学の諸問題』(1930)などがある。
[箕浦達二]
『昇曙夢訳『芸術社会学』(創元文庫)』