日本大百科全書(ニッポニカ) 「フレス」の意味・わかりやすい解説
フレス
ふれす
Paul Fraisse
(1911―1996)
フランスの心理学者。サンテティエンヌの生まれ。ベルギーのルーバン大学でミショットに学び、1945年博士号をとる。1952年高等実業専門学校の実験心理学および比較心理学研究室の主任。1956年ソルボンヌ大学で文学博士号をとり、1957年同大学文学部(パリ大学)の実験心理学教授、1980年よりルネ・デカルト大学(パリ第五大学)の実験心理学教授となる。『心理学年報』の編集責任者としてフランス心理学の指導的地位にあった。日本では、フランス哲学の伝統である時間の研究者として早くから知られていた。著書に『時間の心理学』Psychologie du Temps(1957)があり、また、ピアジェと『現代心理学』全9巻Traité de psychologie expérimentale(1963~1966)を編集している。
[宇津木保]
『原吉雄訳『時間の心理学――その生物学・生理学』(1960・東京創元社)』▽『J・ピアジェ、P・フレス編、波多野完治・南博監修『現代心理学』全9巻(1971~1972・白水社)』▽『ポール・フレス著、島田実・岩脇三良訳『実験心理学』(白水社・文庫クセジュ)』