サンテティエンヌ(読み)さんててぃえんぬ(英語表記)Saint-Étienne

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンテティエンヌ」の意味・わかりやすい解説

サンテティエンヌ
さんててぃえんぬ
Saint-Étienne

フランス中部、ロアール県の県都で、工業都市。リヨンの南西59キロメートル、フィラン川に沿う標高517メートルの位置にある。人口市域18万0210、都市圏29万1960(1999)、市域17万1057、都市圏37万3130(2015センサス)。行政、商業(チェーン・ストア、通信販売)、文化(大学、美術館、鉱山博物館、武器博物館)の中心地。郊外では16世紀以来の石炭採掘とその関連工業が行われる。製鉄特殊鋼、加工業、織物、食料品などの工業が行われ、チョコレート工場もある。工業再転換が成功し、かつては「煤煙(ばいえん)の地方」とよばれたが、いまは魅力ある都市となった。近郊ではピラ自然公園の整備が行われ、ロアール川上流の貯水池建設計画がある。北西に空港がある。付近のモントーは作曲家マスネの故郷。14世紀起源のサンテティエンヌ教会がある。

[大嶽幸彦]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンテティエンヌ」の意味・わかりやすい解説

サンテティエンヌ
Saint-Étienne

正式名称はサンテティエンヌシュルロアール Saint-Étienne-sur-Loire。フランス南東部,ロアール県の県都,工業都市。市の名称は中央にある聖堂の名に由来する。 15世紀にはすでに武器製造と絹織物工業が始められていたが,19世紀には石炭の採掘が盛んになって工業都市として急速に発展,フランスの重工業発展の基礎をなした。フランスで最も早い時期の鉄道が,1828年にロアール河岸のアンドレジューとの間,16kmに敷設された。現在,鉱山は衰微したが,織物,染色工業の一大中心。合金鋼の製造を中心に金属工業も盛んで,特に兵器生産では,国営の大兵器工場をはじめ,多数の工場がある。 1966年にリヨン=サンテティエンヌ大都市圏整備研究組織が設立され,都市圏を接するにいたった両都市の総合的整備が進められている。人口 17万2696(2008)。

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