ブタナ(その他表記)Hypochoeris radicata L.

改訂新版 世界大百科事典 「ブタナ」の意味・わかりやすい解説

ブタナ
Hypochoeris radicata L.

牧場や都市の荒地にはえるキク科の多年草。ヨーロッパ原産の帰化植物で,日本への侵入は1930年代初期に気づかれた。とくに北海道に多い。英名cat's-ear,gosmore,California dandelion。羽裂する葉が根生してロゼットをなし,切ると白色の乳液が出る。春に長さ50cmほどの花茎を上げ,鮮黄色の頭花をつける。頭花は舌状花のみからなり,径3~4cm。一見,タンポポ属に似るが,葉には黄褐色の硬い毛が密生し,花茎は分枝して黒色鱗片がつく点が異なる。また,総苞片には白色の毛が1列あり,花床に膜質の細い鱗片がある点も顕著な特徴である。花期は長く,4~10月にかけ咲き続ける。瘦果(そうか)には長い冠毛柄と羽状の冠毛がつき,風により散布される。

 ブタナの所属するエゾコウゾリナ属Hypochoerisは世界の温帯に約50種あり,日本にはエゾコウゾリナH.crepidioides(Miyabe et Kudo)Tatew.et Kitam.1種のみが北海道アポイ岳に自生する。また,東アジア原産のオウゴンソウH.ciliata Makinoがまれに植栽される。
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