山川 世界史小辞典 改訂新版 「ブラフモ・サマージ」の解説
ブラフモ・サマージ
Brahmo Samaj/Brāhma Samāj
インドの宗教団体。ベンガル語ではブランモ・ショマジ。サマージ(ショマジ)は協会の意。19世紀,インドの宗教・社会改革運動で中心的役割を果たした。1828年,ラームモーハン・ローイがカルカッタに創設した。ローイは,ヒンドゥー教の偶像崇拝や多神教的性格を批判し,ブラフマン(宇宙の根本原理)こそが唯一無二の神だとするとともに,サティーなどの不合理な社会慣習を否定した。この運動はカルカッタの富裕層をひきつけたが,ローイの渡英(30年)によって中断。43年,デベンドラナト・タゴール(1817~1905)によって復活された。しかしタゴールはヒンドゥー教に傾斜する保守的な傾向を示したので,66年,それを不満とするグループがケシャブ・チャンドラ・セーンを指導者として分裂,インド・ブラフモ・サマージを組織した。78年にはシャダロン・ブラフモ・サマージに再分裂した。70年代までインドの近代化に大きな役割を果たしたが,ナショナリズムの高まりとともに衰退した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報