サティー(英語表記)satī

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サティー」の意味・わかりやすい解説

サティー
satī

インドの社会的風習で,寡婦亡夫火葬の火で殉死することをいう。古くから支配階級の間で行われたが,のちに一般にも行われた。インド各地に殉死した寡婦を顕彰する碑などが残っており,また,殉死した寡婦の霊魂を神として崇拝する土俗的信仰もみられた。ブラーフマ・サマージを創設したラーム・モーハン・ローイはイギリス総督を動かしてサティーの風習を禁止させ,やがてこの風習は 19世紀になると消滅した。しかし,近年夫がダウリー (持参金) 欲しさに妻を焼死させ,複数の婚姻を行うなど現代版サティーともいえる事件が起きている。

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