ブラント委員会(読み)ブラントいいんかい(英語表記)Brandt Commission

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブラント委員会」の意味・わかりやすい解説

ブラント委員会
ブラントいいんかい
Brandt Commission

西ドイツの W.ブラント元首相を委員長,世界の著名な政治家,学者などを委員として発足した国連の「国際開発問題に関する独立委員会」のことをいう。 1977年に発足し,80年2月に国連事務総長に対し,『南と北-生存のための戦略』と題する報告書を提出した。報告書は,南北問題背景現状を明らかにするとともに,この問題は人類全体の生存にかかわるものであって,その克服に南北双方が協力して取組むことが必要であるという観点から問題の解決方策を提案している。同委員会は,いわば世界平和の問題に経済的・社会的側面からアプローチしたものであった。この報告書に盛られた勧告を受け,81年 10月にメキシコカンクンで南北サミットが開催された。

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