ブリタニック諸語(読み)ブリタニックしょご(英語表記)Brittonic

翻訳|Brittonic

精選版 日本国語大辞典 「ブリタニック諸語」の意味・読み・例文・類語

ブリタニック‐しょご【ブリタニック諸語】

  1. 〘 名詞 〙 インド‐ヨーロッパ語族ケルト語派島嶼ケルト語を二大別した一つで、ゲール諸語に対する。ウェールズ語、コーンワル語、ブルトン語(フランスブルターニュ地方)を含む。

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改訂新版 世界大百科事典 「ブリタニック諸語」の意味・わかりやすい解説

ブリタニック諸語 (ブリタニックしょご)
Brittonic

ローマ人のブリテン島征服(43-410ころ)に先立ち,この島に移り住んでいたケルト人の使用した言語で,ブリトニック諸語,またブリソニック諸語Brythonicともいわれる。この言語ではインド・ヨーロッパ(印欧)共通基語におけるkWの音がpであらわれていた(例えばゲーリック語equos〈馬〉に対するブリタニック語eposのごとく)。この意味でブリタニック語はゴール語とともにいわゆるp-群のケルト語に属する(ケルト語派)。この言語はローマ軍撤退後もしばらくは均斉を保っていたらしいが,やがて5~6世紀にアングロ・サクソン人の侵攻が激しくなると,しだいに方言に分化し,ウェールズ語,コーンウォール語,ブルトン語の生成をみるにいたった。この段階では語の末尾音節はほとんど消失し,屈折語としてのインド・ヨーロッパ語の特徴は同時代のアイルランド語に比して影が薄くなっている。しかし語頭の音韻変化,屈折前置詞,動名詞verbal nounなどはゲーリック語とほぼ並行的な発達をみた。
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百科事典マイペディア 「ブリタニック諸語」の意味・わかりやすい解説

ブリタニック諸語【ブリタニックしょご】

インド・ヨーロッパ語族ケルト語派の下位グループ。ウェールズ語,コーンウォール語,ブルトン語総称。Brittonic(Brythonic)。このうちコーンウォール語は13世紀ころからの文献があるが,18世紀に死滅した。

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世界大百科事典(旧版)内のブリタニック諸語の言及

【ブルトン語】より

…ケルト語派のうちのブリタニック諸語の一つ。5~6世紀にかけてブリテン島南西部から対岸のブリタニー(ブルターニュ)に渡ったケルト人がもたらしたもので,現在も同地で行われるが,話者の大部分はフランス語との二重言語使用者である。…

※「ブリタニック諸語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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