日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリューヘル」の意味・わかりやすい解説
ブリューヘル
ぶりゅーへる
Василий Константинович Блюхер/Vasiliy Konstantinovich Blyuher
(1889―1938)
ソ連の軍人。ヤロスラブリ県の農民の子として生まれる。1916年ロシア社会民主労働党入党。17年の二月革命後、軍隊内での工作を担当し、十月革命後は各地での反革命軍との戦闘を指揮、名声を博した。21~22年、極東共和国最高総司令官兼陸軍大臣。24~27年にはガーリンの名で中国広東(カントン)政府の軍事顧問を務め、孫文、蒋介石(しょうかいせき)を助けた。29年から特別極東軍総司令官としてソ連極東地域軍事力の総責任者となり、日本の関東軍などと対峙(たいじ)。この間、党中央委員候補(1934)、ソ連軍最初の元帥の一人(1935)となったが、38年粛清された。のちに名誉回復された。
[藤本和貴夫]