カントン(読み)かんとん(英語表記)Canton

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カントン」の意味・わかりやすい解説

カントン(John Canton)
かんとん
John Canton
(1718―1772)

イギリス物理学者。服地織り職人の子として生まれ、初等教育を終えると親の下で働いた。その後、独学物理学を修め、認められて、1738年、ロンドンの学校経営者ワトキンスSamuel Watkinsに仕え、1745年以降、彼の学校の学校長を務めた。1747年ごろカントンは強力磁石をつくる新方式を開発し、実験家としての評価を得、1751年にはロイヤル・ソサイエティーからコプリー賞(物理・生物学に功績のあったものに贈られる)を受けた。またフランクリンの雷の実験をイギリスで初めて行い、雲が正負両方を帯電することを発見した。プリーストリーの『電気学の歴史と現状』(1767)発行の手助けもした。電気学以外では、水の圧縮性の実験的な証明があり、この業績で1765年に二度目のコプリー賞を受けた。

高山 進]


カントン(アメリカ合衆国)
かんとん
Canton

アメリカ合衆国、オハイオ州北東部の工業都市。人口8万0806(2000)。付近には石炭天然ガス粘土など天然資源を産し、交通の便がよいところから鉄鋼中心の工業都市として発展した。合金金属加工やロールベアリング、事務器具などの製造が盛んである。教育にも力を入れており、マローン大学、ウォルシュ大学をはじめ大学が多い。第25代大統領マッキンリーの家が保存され、墓地は記念公園となっている。アメリカ・プロフットボール(NFL)の殿堂があり、アメリカンフットボールの歴史や記録の展示、殿堂入りした選手の胸像などがある。

[作野和世]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カントン」の意味・わかりやすい解説

カントン
Canton

アメリカ合衆国オハイオ州北東部の都市。クリーブランドの南南東約 100kmに位置する。 1805年に成立し,1900年から 1920年の間に,ヨーロッパやアフリカからの移民を受け入れて急速に発展した。電気炉で製造される合金鋼の生産では合衆国首位を占め,ベアリング,ボルトの製造や窯業も重要である。ケント州立大学スターク分校やフレンド派 (クェーカー教徒) 系のマローン大学,第 25代大統領ウィリアム・マッキンレーの墓がある。アメリカンフットボールリーグ,NFLの発祥の地で,プロフットボールの殿堂がある。人口8万 806 (2000) 。

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