日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブレーデロ」の意味・わかりやすい解説
ブレーデロ
ぶれーでろ
Gerbrand Adriaensz Bredero
(1585―1618)
オランダの民衆詩人、劇作家。アムステルダム生まれ。高等教育は受けなかったが、英、仏、ラテン語を習得し、単に民衆詩人の域にとどまらず、ホーフト、グロティウスらと交わり、ルネサンス芸術も大いに吸収した。詩は『民衆の巻』『恋の巻』『信仰の巻』の3巻に収められている。喜劇に長じ、『牛の喜劇』(1612)、『水車番の喜劇』(1613)、代表作『スペインからのブラーバンド人』(1617)はスペインの悪漢小説に題材を得たとはいえ、登場人物は生粋(きっすい)のアムステルダムの下町衆である。33歳で夭折(ようせつ)。
[近藤紀子]