日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホーフト」の意味・わかりやすい解説
ホーフト
ほーふと
Pieter Corneliszoon Hooft
(1581―1647)
オランダの詩人、劇作家。オランダ・ルネサンスの中心人物。商家の出で、父はアムステルダム市長。イタリアに旅し、その後ライデンで法律を修め、マイデル城地区の司法官になる。有名な芸術家の集まり「マイデル城サークル」の中心人物。ヒューマニストとして、ギリシア、ローマの古典文化に傾倒し、また流麗でエロティックな詩集を発表した。悲劇詩人セネカの筆法に従った戯曲は有名で、田園生活を謳歌(おうか)し、退廃の貴族生活を嘲笑(ちょうしょう)した『グラニダ』(1605)はじめ、『ヘーラルド・ファン・フェルセン』(1613)、『バトー』(1626)が代表作。1626年以後、散文に専念。歴史小説も手がけたが、傑作『オランダ史』(1642)は未完に終わった。
[近藤紀子]