日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブローニュ・シュル・メール
ぶろーにゅしゅるめーる
Boulogne-sur-Mer
フランス北部、パ・ド・カレー県の港湾都市。人口4万4859(1999)。ドーバー海峡に面するリアンヌ川の河口に位置し、港はフランス最大の漁港となっている。イギリスのフォークストンやドーバーへの連絡船の発着所でもあり、旅客輸送も重要である。缶詰工業が盛んで、冷蔵食品とともにフランス全土へ送るほか、輸出もしている。また、造船、電気機械、鉄鋼、食品、ボールペン、製糸などの工業が盛ん。古代ローマ軍がイギリス侵攻の根拠地とした軍港を起源とし、中世には伯爵領の中心地であった。13世紀に築かれた要塞(ようさい)や19世紀のバシリカ式の大聖堂が残っている。ナポレオンはここを根拠地としたイギリス上陸作戦を計画したが果たせなかった。
[高橋伸夫]