製糸(読み)せいし(英語表記)filature

翻訳|filature

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

製糸
せいし
filature

繭から生糸をつくる作業で,絹業の3部門 (養蚕,製絹織) の一つ。第2次世界大戦前,生糸が輸出の中心であった時代には日本の代表的な産業部門を形成していた。作業工程の調整 (繭質の大量統一,選別,定粒化) ,煮繭繰糸揚返し,束装に分れ,繰糸法の内容によって足踏,座繰,機械繰糸 (座繰,多条) ,自動繰糸の別がある。大製糸工場の自動繰糸機導入は第2次世界大戦後で,それ以前の製糸業のほとんどは繰糸過程を婦人労働者に頼るマニュファクチュアないし手工業にとどまっていた。

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デジタル大辞泉の解説

せい‐し【製糸】

糸をつくること。特に、繭から生糸をつくること。「製糸工場」

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百科事典マイペディアの解説

製糸【せいし】

繭(まゆ)から生糸を製造すること。生繭(なままゆ)を熱気で殺蛹(さつよう)乾燥した乾繭(かんけん)を原料とし,まず95〜100℃の蒸気または熱湯で煮繭(しゃけん)して,セリシンで膠着(こうちゃく)している繭糸をほぐし,30〜50℃の繰糸(そうし)湯に移す。繰糸は繭の糸口を捜し,数本を抱合して1本の生糸にし,わくに巻き取る工程で,繭糸5本程度で14デニール,7〜8本で21デニールの糸ができる。繰糸された生糸は大わくに巻き返す揚返しをして所定の重量と長さの綛(かせ)につくる。日本では,古くは片手で繰糸し片手でわくを回す手引きが行われ,幕末から明治にかけて座繰(ざぐり)が発達,明治半ばにはフランス・イタリアから導入した動力による機械製糸が普及,大正末年には多条繰糸機の発明をみた。第2次大戦後,繰糸中の生糸の繊度(糸の太さ)を感知して絶えず調整し,繭糸を自動的につないでいく自動繰糸機が開発され,品質の統一,量産に効果をあげている。
→関連項目生糸蚕糸業新町屑糸紡績所繰糸紡績綿糸

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世界大百科事典 第2版の解説

せいし【製糸 filature】

繭から生糸を作る諸工程の総称。広義では玉糸野蚕(やさん)糸を作ることを含めることがあるが,一般にはカイコの作る繭を原料として生糸を作るための,生繭(なままゆ)の乾燥(乾繭(かんけん)),貯繭,原料調整,煮繭,繰糸(そうし)および揚返し,仕上げなどの一連の工程をいう。(1)乾繭 生繭を乾燥するのは,殺蛹(さつよう)して発蛾(はつが)を防ぎ,長期間貯蔵しても,カビが発生しないようにすることを目的としている。

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大辞林 第三版の解説

せいし【製糸】

繭を煮て糸を繰り、数本集めて一本の糸にする工程。 「 -業」

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