改訂新版 世界大百科事典 「プチーロフ工場」の意味・わかりやすい解説
プチーロフ工場 (プチーロフこうじょう)
Putilovskii zavod
ロシアの代表的な重機械工場。1872-73年に海軍省技師プチーロフN.I.Putilovによってレール圧延工場として首都ペテルブルグに創業された。のち機関車製造に移り,20世紀に入ってからは軍需工場となった。初代のプチーロフは1880年に死んだが,第1次世界大戦前夜にはロシア・アジア銀行の頭取プチーロフAleksei Ivanovich Putilov(1866-1926)が経営者となった。労働者の数は1905年に1万2000人,16年には2万1000人で,ロシア最大の工場であった。この工場の労働者は首都の労働運動の中心的な勢力であった。1905年と16年に起こったストライキは大規模なもので,1905年と17年の革命の契機の一つとなった。革命後も存続し,現在キーロフ工場Leningradskii Kirovskii zavodの名称で操業している。
執筆者:和田 春樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報