ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラチャンダ」の意味・わかりやすい解説
プラチャンダ
Prachanda
ネパールの反政府組織指導者,政治家。首相(在任 2008~09,2016~ )。本名 Pushpa Kamal Dahal。王制廃止後の連邦民主共和制下の初代首相。貧しい農家に生まれ,チトワン郡の学校で教師から共産主義の洗礼を受けた。1975年チトワン郡の農業動物学大学を卒業。1980年急進的なネパール共産党マサル派の下部組織,全ネパール自由学生連盟の代表となる。その後マサル派は分裂を繰り返したが,その間に指導者として頭角を現した。1990年複数の左派政党がネパール共産党統一センターを結成,総書記に就任したが 1994年に 2派に分裂した。1995年自派をネパール共産党毛沢東主義派(マオイスト)と改称し,翌 1996年王制廃止を目指して武装闘争を開始した。10年にわたる武装闘争中は地下に潜伏し,うち 8年はインドで過ごした。2006年政府と包括的和平協定に調印。2008年の制憲議会選挙で,ネパール共産党毛沢東主義派が第一党となり,民主共和制に移行した新政府のもとで首相の座についた。237年にわたる王制は終焉を迎えた。2009年に陸軍参謀総長の解任問題で大統領と争い首相職を辞した。短期間で首相が 6度交代したのち,2016年 2度目の首相に選出された。
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