日本大百科全書(ニッポニカ) 「プロコポービチ」の意味・わかりやすい解説
プロコポービチ
ぷろこぽーびち
Феофан Прокопович/Feofan Prokopovich
(1681―1736)
ロシアの文人、僧侶(そうりょ)。フェオファンの僧名で知られるが、俗名はエレアザル。僧侶としてはロシア正教会の大主教にまで進んだ。キエフ(現、キーウ)の商人の家庭に生まれ、カトリックの教育を受ける。1717年ピョートル1世に招かれてペテルブルグに移り、雄弁と著述をもってその近代化政策を熱心に擁護した。ロシア最初のヒューマニストとしてその活動はきわめて多面的で、法律の分野では『宗教法』『海事規則』、教育の面では『初等教育論』、文学の領域では『詩法論』を著したほか、悲喜劇『ウラジーミル』(1805年初演)、君主や戦争の勝利をたたえる詩を残した。
[中村喜和]