雄弁(読み)ユウベン

デジタル大辞泉 「雄弁」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐べん【雄弁/雄×辯】

[名・形動]説得力をもって力強く話すこと。また、そのさま。「―な政治家
[類語]口賢い口上手口達者口巧者口八丁口八丁手八丁話し上手口器用口調法口利口口がうまい快弁達弁能弁流暢熱弁立て板に水舌を振るう言い募る言いまくるまくし立てる言い尽くす言い立てる述べ立てる口がほぐれる舌が回る口角泡を飛ばす舌端火を吐く激語滔滔とうとう喋喋ぺらぺらべらべら弁が立つ

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精選版 日本国語大辞典 「雄弁」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐べん【雄弁・雄辯】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 力強くよどみのない弁舌話術がたくみで説得力のある話しぶり。また、そのさま。能弁。
    1. [初出の実例]「雅量納海、雄辯興雲、明大法常情」(出典:東海一漚集(1375頃)二・建長請象外和尚疏)
    2. 「然し雄辯(イウベン)は銀で沈黙は金である、死せる議論に生ける活を入れるのはどうしても口数の少ない沈黙家の所作事である」(出典:我羊独語(1929)〈品川義介〉杉浦先生と頭山翁)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐飲中八仙歌〕
  3. ある事実などを十分に示しているさま。
    1. [初出の実例]「ゆうべの無残な死にざまを雄辯(ユウベン)に物語ってゐた」(出典:血(1927)〈岡田三郎〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「雄弁」の意味・わかりやすい解説

雄弁 (ゆうべん)

野間清治が1909年大日本雄弁会(現,講談社)を設立し,翌10年創刊した月刊誌野間は当時東京大学法科の書記をしており,弁論部の誕生に尽力したのが本誌発刊の契機となった。第1号の弁論部発会記念の口絵写真には芦田均,鶴見祐輔らの顔が見える。主として雄弁家の演説速記を掲載していたが,17年ころよりしだいに総合雑誌に変身し,20年10月《現代》が創刊されるまでその傾向を続けた。その後はもとの弁論雑誌に戻ったが,政府の雑誌統合策により,41年10月号で終刊,《現代》に統合された。
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普及版 字通 「雄弁」の読み・字形・画数・意味

【雄弁】ゆうべん

雄大の弁。弁舌のすぐれていること。唐・杜甫〔飲中八仙歌〕詩 焦(性吃)五斗、方(まさ)に卓然たり 高談雄辯、四かす

字通「雄」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の雄弁の言及

【講談社[株]】より

野間清治が創業した出版社。野間は1909年に大日本雄弁会を設立,《雄弁》を刊行。このときは発売を大日本図書会社に委託。…

※「雄弁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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