最新 地学事典 「プロトアクチニウム法」の解説
プロトアクチニウムほう
プロトアクチニウム法
protactinium method
アクチニウム系列の231Paと親核種(235U)との間の放射非平衡関係を利用する年代測定法。235U-231Pa法と表記することが望ましい。イオニウム法と同じ原理で,化石サンゴなどの死亡年代,海底堆積物の堆積速度,マンガン団塊の成長速度の推定に利用できる。年代範囲1万~25万年。また,存在比が一定のウラン同位体(235U・234U・238U)の壊変によって生ずる海水中の231Paと230Thの半減期(壊変定数)が,それぞれ3.257×104年(λ231=2.128×10−5/年),7.558×104年(λ230=9.171×10−6/年)と異なるため,底質表面の230Th/231Pa比は,時間とともに両核種の壊変定数差(λ′=λ231─λ230=12.11×10−6/年),すなわち57,200年の有効半減期(effective half-life)で減衰する。この減衰率が,海洋底堆積物の年代測定に役立つ。この方法では,ウラン同位体の堆積物中での拡散移動などの影響を受けない利点がある。
執筆者:大村 明雄・浜田 盛久
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

