化学辞典 第2版 「プロトンポンプ」の解説
プロトンポンプ
プロトンポンプ
proton pump
ATPのエネルギーを使って,H+ を細胞膜の外にくみ出すタンパク質.胃の壁細胞にあって胃酸分泌を担う H+,K+-ATPアーゼや,細胞内顆粒のリソソームにあって顆粒内を酸性にする H+-ATPアーゼ(V-ATPアーゼ)などがある.胃薬として使われるプロトンポンプインヒビターは,H+,K+-ATPアーゼを阻害することにより,胃酸過多にならないようにし,胃を守る.H+,K+-ATPアーゼはP-型ATPアーゼファミリーの一員で,ほかのメンバーである Ca2+ATPアーゼや Na+,K+-ATPアーゼと同様,αとβサブユニットからなる.ATPアーゼ活性はαサブユニットにある.V-型ATPアーゼの場合は,V1(570 kDa)とVo(260 kDa)ドメインからなり,それぞれA3B3C1D1E1F1G1H1およびacc′c″dという複雑なサブユニット構成を有する.[別用語参照]イオンポンプ
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報