ヘイロタイ(読み)へいろたい(その他表記)heilotai ギリシア語

デジタル大辞泉 「ヘイロタイ」の意味・読み・例文・類語

ヘイロタイ(〈ギリシャ〉heilōtai)

古代ギリシャ、スパルタの完全市民共有の奴隷。征服された先住民子孫で、農耕労働を強制されるのに反発して市民と敵対し、しばしば反乱を起こした。ヘロット

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘイロタイ」の意味・わかりやすい解説

ヘイロタイ
へいろたい
heilotai ギリシア語

古代スパルタの隷属農業生産者。ヘロットhelots(英語)ともいう。市民の所有地を耕し、収穫物のなかから国家の定めた量の貢納を主人に納めた。この身分ドーリス人による先住民征服に由来するとされるが、それを疑問とする説もある。彼らの解放は国家のみがなしえた。紀元前8世紀後半のメッセニア征服はこの身分のものを大いに増加させた。彼らは絶えず独立の機会をうかがい、実際に蜂起(ほうき)した。彼らの反乱、抵抗を防止するために、スパルタは毎年彼らに宣戦布告し、クリプテイアという夜間ひそかに屈強なヘイロタイを暗殺する制度を設けた。他方、スパルタは彼らを従卒、軽装兵として利用し、ペロポネソス戦争期以降彼らを解放して重装歩兵として用い、市民軍の不足を補った。前369年テーベはメッセニアのヘイロタイを解放した。前207年ナビスがヘイロタイの多くを解放して市民としたために、この身分は事実上消滅するに至った。

[古山正人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ヘイロタイ」の解説

ヘイロタイ

ヘロット

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘイロタイ」の意味・わかりやすい解説

ヘイロタイ

「ヘロット」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android