ヘツカラン(読み)へつからん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘツカラン」の意味・わかりやすい解説

ヘツカラン
へつからん / 辺塚蘭
[学] Cymbidium dayanum Reichb.f.

ラン科(APG分類:ラン科)の常緑多年草。樹上に着生し、偽球茎が連なる。葉は細長く、数枚が偽球茎を包む。10~11月、偽球茎のわきから花茎を垂れ下げ、花を十数個開く。花冠白色紅紫色の筋(すじ)が入り、径約4センチメートル。九州南部、沖縄、および台湾マレー半島スマトラ島に分布する。名は、鹿児島県肝属(きもつき)郡南大隅町辺塚(へつか)で採集されたことによる。

井上 健 2019年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のヘツカランの言及

【カンラン(寒蘭)】より

…また,カンランとシュンランの自然雑種と推定されるハルカンランCnishiuchiana Makinoが高知県から知られている。中国大陸南部に分布するスルガランやヘツカランC.dayanum Reichb.fil.var.austrojaponicum Tuyamaの類似種もソシンラン(素心蘭)などの名のもとに日本に導入され,珍重されている。【井上 健】【黒崎 陽人】。…

【シュンラン(春蘭)】より

カンランは,葉がより細長く,花も複数咲く。ヘツカランC.dayanum Reichb.f.var.austrojaponicum Tuyam.は半着生種で,九州南部以南に分布する。ナギランC.lancifolium Hook.,アキザキナギランC.javanicum Blume var.aspidistrifolium F.Maekawaは葉が長楕円形である。…

※「ヘツカラン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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