ヘパラン硫酸(読み)ヘパランリュウサン

化学辞典 第2版 「ヘパラン硫酸」の解説

ヘパラン硫酸
ヘパランリュウサン
heparan sulfate

heparitin sulfate.動物の結合組織に広く存在し,動脈組織,白血球,脳,腎臓肝臓などに見いだされる.ヘパリンと同様に,N-スルホ-D-グルコサミン,N-アセチル-D-グルコサミン,D-グルクロン酸,L-イズロン酸からなる多糖で,二糖当たり1個の硫酸基を含むグルコサミノグリカン.硫酸基,L-イズロン酸基,N-硫酸基の含量が少ない点がヘパリンと異なり,抗血液凝固作用はない.タンパク質と結合したプロテオグリカンの形で細胞膜に普遍的な成分である.分子量2~15×103+38→+78°.ヘパラン硫酸の代謝異常症(ムコ多糖症)が知られているが,それらは分解に関与する特定の酵素が欠損している.機能としては,血管内皮細胞素表面への酵素のつなぎ手の役割や細胞の特異性発現,増殖の調節,相互認識,接着などへの関与があげられる.[CAS 9050-30-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ヘパラン硫酸」の解説

ヘパラン硫酸

 ヘパリチン硫酸ともいう.D-グルコサミン,D-グルクロン酸,L-イズロン酸を構成糖とする多糖のN-アセチル,N-硫酸,O-硫酸置換体.ヘパリンに似た物質で,動物体内に広く分布している.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

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