化学辞典 第2版 「ベラトルムアルカロイド」の解説
ベラトルムアルカロイド
ベラトルムアルカロイド
veratrum alkaloid
バイケイソウアルカロイドともいう.ユリ科Veratrumあるいはその近縁のZygadenus属,Fritallaria属より得られるC27-ステロイドアルカロイドで,数十種類が知られている.構造的には,ルビジェルビン(rubijervine)に代表されるジェルベラトルム(Jerveratrum)アルカロイドと,ベラトリジンに代表されるセベラトルム(Ceveratrum)アルカロイドに大別される.前者は1~4個のヒドロキシ基をもつ配糖体であるのに対し,後者は7~9個のヒドロキシ基をもつ遊離形で,酢酸,ベラトルム酸,アンゲリカ酸,チグリン酸,2-メチル酪酸などがエステル結合しており,プロトベリン,ゲルミンなどがこれに属する.これらのアルカロイドのなかには,殺虫性や強力な血圧降下作用をもつものがあり,臨床的に用いられている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報