ベルベル王国(読み)べるべるおうこく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベルベル王国」の意味・わかりやすい解説

ベルベル王国
べるべるおうこく

マグレブ地方(北西アフリカ)の先住民ベルベル人が建設した諸王国。紀元前9世紀から紀元後7世紀にかけて、マグレブ地方はカルタゴローマバンダル、ビザンティンなど地中海の北側から進出した異民族の支配を受けたが、それに対抗するなかでベルベル人の政治体制が組織されていった。そのなかではヌミディア国の名が知られているが、マグレブ地方に王国が誕生するのは7世紀のアラブ征服以降のことである。イスラムの政治原理に従って、ルスタム朝(777~909)、イドリース朝(788~974)、アグラブ朝(800~909)などがつくられ、当初は東のアラブ帝国に従属していたが、やがて地方政権として自立していった。ムラービト朝(1056~1147)、ムワッヒド朝(1130~1269)に至ってマグレブ地方を統一する王朝が建設された。

[宮治一雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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