ベーヌ(英語表記)Pierre Joseph Georges Pigneaude Béhaine

改訂新版 世界大百科事典 「ベーヌ」の意味・わかりやすい解説

ベーヌ
Pierre Joseph Georges Pigneaude Béhaine
生没年:1741-99

ベトナムのグエン(阮)朝の創始を助けたフランス人カトリック司教。ベトナム名はバク・ダ・ロクBach Da Loc(百多禄)。海外伝道教会の宣教師として1774年から南部ベトナムのハティエンを中心に布教に努めていたが,75年タイソン(西山)軍に追われたクアンナム(広南)朝の王族グエン・フォック・アイン阮福暎。のちのザロン帝)を助け,クアンナム・グエン朝の回復に力を貸すことになった。87年アインの長子カイン(景)をパリに連れていってルイ16世に会い,フランス軍の介入と引換えに,フランスに対する独占商業権の付与,ベトナムの一部港湾の割譲を約して仏越攻守同盟に調印した。しかし大革命直前のフランス政府は出兵に消極的で,やむをえずベーヌは独力で義勇兵をインドで募り,ベトナムに運んでアインを助けた。以後,アインの助言者として仕え,99年ティナイ(施耐。現,クイニョン)で没した。フランスのベトナム介入の端緒を作った人物として重視される。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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