日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベールナルト」の意味・わかりやすい解説
ベールナルト
べーるなると
Auguste Marie François Beernaert
(1829―1912)
ベルギーの政治家。オーステンデに住む中流のカトリック教徒の家に生まれる。1846年ルーバン大学に入学、1851年に法学博士号を取得、その後弁護士となり、法学者としても名声を得た。1873年保守系のカトリック党内閣の公共事業大臣、1884年農工大臣を務めたのち、同年に国王レオポルト2世の指名により首相兼財務大臣に就任し、1894年まで在任した。ベールナルト政権では財政は比較的安定し、1885年にはコンゴ独立国(1908年ベルギー領コンゴとなる)が成立した。1895年から1900年まで下院議長を務めた。ベールナルトはベルギーの平和主義者のリーダーであり、首相を辞職したあと、列国議会同盟の活動に積極的に参加、会議の議長や執行委員長を務めた。また1899年と1907年の2回にわたるハーグ平和会議では軍縮委員会の最高責任者などに就任し、世界平和の構築に貢献した。このような、たゆみない平和への努力に対し、1909年、フランスのエストゥールネル・ド・コンスタンとともにノーベル平和賞を受賞した。
[編集部]