世界各国議会の議員交流と、国際平和や民主主義、人権の促進を目的にした国際組織。フランスの経済学者フレデリック・パシーと、英国の政治家ウィリアム・ランダル・クリーマーの提唱により1889年に設立された。現在は178カ国・地域の議会に加え、欧州議会など12の連合組織が準会員として参加している。本部はスイス西部ジュネーブに置かれている。(ジュネーブ共同)
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略称IPU。各国の国会議員の連合体。イギリスのクリーマーWilliam Randal Cremer(1828/38―1908)とフランスのパシーFrédéric Passy(1822―1912)の主導で1888年10月パリで創立総会が開かれ、翌1889年に設立された。当初は、国際裁判制度の確立普及を活動目的としていたが、第二次世界大戦後は、各国国会議員の個人的接触を通じて、議会制度の充実、国際問題の調査および解決方法の探究を目的として活動している。現在の加盟国は日本を含めて155か国(2010年時点)で、本部はジュネーブ。総会、評議員会、執行委員会、調査委員会などの機関が置かれている。総会は毎年開かれ、1960年の第49回総会、1974年の第61回総会は東京で開かれた。日本議員団の事務局は衆議院事務局に置かれている。
[松田竹男]
1889年6月,パリで設立された。略称,IPU。列国議会同盟誕生の背景には,国々が主権を分割したり譲渡したりしなくとも共通の利益のために国際協力を高めることができるとする19世紀末当時の〈機能主義的国際組織化〉の新たな思想の潮流があった。その憲章は,1922年のウィーン会議で採択されたが,その後さまざまに修正され,76年のマドリード会議で再構成された。列国議会同盟の目的は,第1に,各国の議会人の交流・討議をとおして,国際的協調および平和を高めること,第2に,国際連合の諸活動を支援すること,そして第3に,世界の議会制度の発展と進歩に貢献することである。そのために各国の議会人が毎年総会を開いている。活動は第2次大戦時停止したが,1945年に再開された。機構の本部はジュネーブにおかれ,加盟国は143ヵ国・7連合組織を数える(2005年末)。日本は1908年に加盟,第2次大戦後52年に再加盟した。
執筆者:鴨 武彦
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