ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンスタン」の意味・わかりやすい解説
コンスタン
Constant de Rebecque, Henri Benjamin
[没]1830.12.8. パリ
フランスの小説家,政治家。スイスのフランス系亡命プロテスタントの軍人の子に生れ,早く母を失い,ドイツとスコットランドで教育を受け,1787年パリでシャリエール夫人と知合った。 95年ローザンヌで知遇を得たスタール夫人に従いパリへ出て,活発な政治活動を開始。自由主義市民階級の有力な代弁者として声価を確立,ナポレオンの独裁政治に対抗して憲政主義を主張した。ナポレオンの失脚,第1王政復古,百日天下,第2王政復古と政情の変化に伴って亡命と政界復帰を繰返したが,1819年サルト地方の下院議員に選ばれて,ルイ・フィリップ擁立などに活躍,大きな衆望を得た。 06年スイスのスタール夫人のもとで書かれた小説『アドルフ』 Adolphe (1816) は近代心理小説の先駆として傑作の名が高い。『宗教論』 De la religion considérée dans sa source,ses formes et ses développements (5巻,24~31) ,死後 100年以上たってから発見された第2の小説『セシル』 Cécile (1951刊) ,自伝『赤い手帳』 Le Cahier rouge (1907刊) のほか,冷徹な知性によって不安定な自己の性格を分析した日記と多数の書簡が刊行されている。
コンスタン
Constant, Benjamin-Jean-Joseph
[没]1902.5.26. パリ
フランスの画家。 1869年サロンに初出品,72年モロッコに旅行。ソルボンヌ,パリ市庁舎,オペラ・コミック座の壁画の作者として知られるほか,肖像画家としても一流とされた。 93年アカデミー会員。
コンスタン
Constant, Benjamin; Botelho de Magalhães
[没]1891
ブラジルの政治家,思想家。 1871年実証主義協会を設立して実証主義の普及に尽力。また共和主義者として 89年の共和革命を指導し,革命後,陸軍長官,教育・郵政相などの要職を歴任した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報