日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペチョラ炭田」の意味・わかりやすい解説
ペチョラ炭田
ぺちょらたんでん
Печорский Угольный Бассейн/Pechorskiy Ugol'nïy Basseyn
ロシア連邦、北緯68度、東経63度に位置するヨーロッパ地域極北地帯の炭田。面積約9万平方キロメートル。夾炭(きょうたん)層はペルム紀に形成され、厚いもので4メートルに達する30枚の炭層を有する。炭層は水平に近いが、天候は苛酷(かこく)であり、炭田の85%は永久凍土におおわれている。原料炭と一般炭を産し、埋蔵炭量は原料炭で64億トン、低品位炭を含めると200億トン以上といわれている。極北という厳しい気候条件にあるとともに消費地からも遠く、開発は比較的遅れているが、ロシア北西部の電力用炭供給地として重要視されている。年生産量は2270万トン(1994)。
[木下重教・樋口澄志]