岩層の間に層状に存在している石炭の層。炭層を含む地質学的に一連の地層は夾炭層といい,その中にふつう数枚の炭層が含まれている。炭層はしばしば薄い岩層を含んでいるが,これを夾み(はさみ)といっている。したがって石炭の部分は炭層の全厚よりも少ないのが普通であり,炭層全厚を山丈(やまたけ),その中の石炭部分の総厚を炭丈(すみたけ)という。夾みの入り具合,厚さ,石炭部の炭質の変化,厚さ等の構成(俗に飾りという)は炭層ごとでもちろん相違するが,同じ炭層でも地域によって変化する。炭層は古代植物が沈積して形成されたもので,根源植物が繁茂していたその場所で沈積してできたものと,別の場所に流されて沈積したものとが考えられている。一般的には,大規模で炭層の構成や厚さの安定しているものは前者である。炭層生成当時はほぼ水平であるが,その後の褶曲,断層等の地殻変動を受けて,いろいろな角度に傾斜している。日本では0~20度未満を緩傾斜,20~35度未満を中傾斜,35~55度未満を急傾斜,55度以上を立傾斜と呼んでいる。
執筆者:大橋 脩作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
石炭でできている堆積(たいせき)岩をいう。数千万年あるいはそれ以上古い時代に地球上に繁茂していた樹木の遺骸(いがい)が堆積して土砂をかぶり、その土砂とともに岩石になったものが炭層である。樹木は有機物であり、酸素、水素、炭素、硫黄(いおう)、リン、窒素等々の元素の化合物であるが、炭層はほとんど炭素分のみで形成されている。また、各種の地質変動を受け、炭層内にも断層褶曲(しゅうきょく)等がつねに介在している。一方、同じ時代に何回か繁茂・堆積を繰り返していたらしく、堆積層中には数枚、十数枚以上の炭層を含むことが多い。そこで、この堆積岩層を「夾炭層(きょうたんそう)」という。
世界の夾炭層はほとんど、地質時代でいえば古生代の石炭紀前後の裸子植物類の炭層を含んでいる。しかし、日本のほか世界各地(たとえば中国の撫順(ぶじゅん)炭鉱)にも新生代第三紀の松柏(しょうはく)類が石炭化したものもある。年代的には新しいので、亜瀝青(あれきせい)炭、亜炭層も多いが、日本炭および撫順炭のように良質の瀝青炭層も少なくない。
[磯部俊郎]
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