原料用炭ともいう。製鉄用のコークス,都市ガスや化学原料用のガスなどを製造する目的で使用される石炭を指し,ボイラー,加熱炉などに燃焼を目的として使用される石炭と区別して用いられる名称である。コークス,ガスのいずれを主目的とするかで原料炭に要求される性状は異なるが,製鉄用の強度の大きいコークスを製造するためには強粘結炭が適しており,純炭発熱量8400kcal/kg以上,燃料比(固定炭素と揮発分との比)1.8以上の石炭がこれに相当する。ガス製造を目的とする場合は,粘結性よりも発生するガスの量と質が重要であり,揮発成分の多い弱粘結炭が賞用される。質のよい原料炭の資源埋蔵量は世界的にみても限られており,したがって数種の石炭を配合したり,バインダー・ピッチを加えるなどの方法で,比較的低品位の原料炭から強度の大きいコークスを製造する技術が開発されている。
執筆者:冨永 博夫
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[用途による分類]
石炭の用途のなかで最も大きい部分を占めるのは,燃料用とコークス製造用である。これによって,〈一般炭〉と〈原料炭〉という二大別が普通に用いられている。コークス製造原料としては粘結性を必要とするから,一般炭,原料炭の分類は,〈非粘結炭〉と〈粘結炭〉の分類にほぼ一致する。…
※「原料炭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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