原料炭(読み)ゲンリョウタン(その他表記)coal for carbonization

デジタル大辞泉 「原料炭」の意味・読み・例文・類語

げんりょう‐たん〔ゲンレウ‐〕【原料炭】

製鉄用のコークス石炭ガス都市ガス一種)などを製造する際に原料となる石炭。→一般炭

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改訂新版 世界大百科事典 「原料炭」の意味・わかりやすい解説

原料炭 (げんりょうたん)
coal for carbonization

原料用炭ともいう。製鉄用のコークス,都市ガスや化学原料用のガスなどを製造する目的で使用される石炭を指し,ボイラー加熱炉などに燃焼を目的として使用される石炭と区別して用いられる名称である。コークス,ガスのいずれを主目的とするかで原料炭に要求される性状は異なるが,製鉄用の強度の大きいコークスを製造するためには強粘結炭が適しており,純炭発熱量8400kcal/kg以上,燃料比固定炭素と揮発分との比)1.8以上の石炭がこれに相当する。ガス製造を目的とする場合は,粘結性よりも発生するガスの量と質が重要であり,揮発成分の多い弱粘結炭が賞用される。質のよい原料炭の資源埋蔵量は世界的にみても限られており,したがって数種の石炭を配合したり,バインダー・ピッチを加えるなどの方法で,比較的低品位の原料炭から強度の大きいコークスを製造する技術が開発されている。
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百科事典マイペディア 「原料炭」の意味・わかりやすい解説

原料炭【げんりょうたん】

粘結性(粘結炭),発熱量の高い石炭で,加熱炉などの燃焼用に使用される石炭とは区別される。粘結度に従って強粘結炭,弱粘結炭の別がある。銑鉄製造の高炉用コークスの原料に使用するものと,ガス発生炉用(都市ガス)とがあるが,一般に前者では高粘結度が要求され,日本ではほとんどが輸入に頼っている。
→関連項目石炭産業

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原料炭」の意味・わかりやすい解説

原料炭
げんりょうたん

練炭用,コークス用など工業加工原料用の石炭。一般的には,主としてコークス原料としての石炭のこと。粘結性の強い強粘結炭で,製鉄用や鋳物用に使われる。製鉄用の原料炭は灰分や硫黄分,リン分の少いものでなければならない。日本では良質のものが少いので,需要 (6538万t) の大部分を輸入 (6456万t) している (1990) 。

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世界大百科事典(旧版)内の原料炭の言及

【石炭】より


[用途による分類]
 石炭の用途のなかで最も大きい部分を占めるのは,燃料用とコークス製造用である。これによって,〈一般炭〉と〈原料炭〉という二大別が普通に用いられている。コークス製造原料としては粘結性を必要とするから,一般炭,原料炭の分類は,〈非粘結炭〉と〈粘結炭〉の分類にほぼ一致する。…

※「原料炭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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