改訂新版 世界大百科事典 「ホソヒラタアブ」の意味・わかりやすい解説
ホソヒラタアブ
Episyrphus balteatus
双翅目ショクガバエ(ハナアブ)科の昆虫。成虫は体長約11mm。胸背は光沢ある銅黒色,腹部は黄色で各節に2本の黒帯がある。全国に分布し,東京付近では成虫は3月から10月ころまで見られ,花に集まり吸みつする。成虫で越冬し,第1回目の産卵は早春3~4月ころに行い,10月ころまでに3回発生する。成虫の食物は花みつ,花粉,アブラムシの分泌液などである。卵はアブラムシの繁殖した寄主植物に産みつけられ約6日で孵化(ふか)する。孵化した幼虫は,アブラムシを捕食して育つ。捕食するアブラムシの種数は37種にも及び,季節によって異なった種を食べている。幼虫期間は10~15日,さなぎ期間もだいたい同じである。蛹化(ようか)は寄主植物の茎や葉上で行い,粘液で付着する。
執筆者:篠永 哲
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報