ホフマンの法則(読み)ほふまんのほうそく(英語表記)Hoffmann's law

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホフマンの法則」の意味・わかりやすい解説

ホフマンの法則
ほふまんのほうそく
Hoffmann's law

ドイツの経済学者W・G・ホフマンが主張した、工業化の過程における工業部門内の構造変化に関する傾向法則。彼はその著書『近代産業発展段階論』(1931)のなかで、工業部門を消費財産業投資財産業とに二分し、付加価値で測った消費財産業の投資財産業に対する比率の大きさにより、一国の工業化の段階を四つに区分した。この比率はホフマン比率とよばれ、工業化が進展するにつれて消費財産業から投資財産業へと比重が移り、ホフマン比率は徐々に低下していくものとされた。しかし、彼の研究ではこれら二つの産業区分にやや厳密性を欠いているうえ、耐久消費財の比重が高まっている今日においては、本来の意味でのホフマンの法則の妥当性はかなり薄らいでいる。

[三浦正史]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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