改訂新版 世界大百科事典 「ホルツィウス」の意味・わかりやすい解説
ホルツィウス
Hendrick Goltzius
生没年:1558-1618
オランダの版画家,素描家,画家。フェンロVenlo近郊に生まれ,人文主義思想家としても知られる版画家コールンヘルトD.V.Coornhertに師事したのち,1577年ハールレムに移住。初期にはスプランヘルの影響の強い銅版画・素描を数多く制作し,友人ファン・マンデル,コルネリスゾーンC.Cornelisz.とともにハールレムを北方マニエリスムの一大中心地とする。90-91年のイタリア旅行でラファエロの芸術に開眼し,帰国後の作品は徐々に古典主義的傾向を強めていった。ファン・レイデンとレンブラントをつなぐ北方最大の版画家で,後続世代への影響は大きい。また晩年の素描においては,17世紀オランダ絵画の自然主義の先鞭をつけている。
執筆者:高橋 達史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報