ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハールレム」の意味・わかりやすい解説
ハールレム
Haarlem
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オランダ西部、ノールト・ホラント州の州都。人口14万8377(2001)。北海から約7キロメートルの内陸に位置し、両者の間には海岸砂丘が横たわる。南西郊外の砂丘地帯では、ヒヤシンス、クロッカス、スイセンなどが栽培され、オランダの花卉(かき)園芸の中心地となっている。とくに15世紀に小アジアから導入されたチューリップ栽培が有名で、その球根は世界中へ輸出される。また古くから羊毛工業、醸造業が行われていたが、現在は造船、機械、繊維の諸工業が発展する。11世紀にホラント伯の宮殿が建設されてから繁栄し、1245年に自治権を獲得した。その後1492年に反乱農民が一時占拠し、また独立戦争中の1573年にはスペイン軍により包囲、略奪された。15世紀以降、芸術の中心となり、とくに17世紀にはロイスダール、ハルスなどハールレム派の画家を多数輩出し、建築家カイも活躍した。旧市街はスパールネ川と堀で囲まれ、中央の大広場を取り巻いて旧市庁舎、大教会、フレースハル(昔の肉市場、現在は公文書館)など古い建物群がある。
[長谷川孝治]
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